「ありがとう」と「ごめんね」の話
King&Prince結成5周年おめでとう。
私にこの日をお祝いする資格があるかどうか、自信がないのだけれど、でも心から溢れてくるおめでとうを何とかして伝えたくて。だから、「おめでとう」を贈るために、「ごめんね」を言わせて欲しい。
「Mr.King vs Mr.Prince」
当時、関西jr.としての紫耀くんと廉ちゃんを、Kin Kanの平野紫耀くんと、なにわ皇子の永瀬廉くんを応援していた私にとってその結成は、どこか突き放された感じがしたことを覚えてる。
柊真くんが自分の夢を追いかけて旅立ってから、ピンと張りつめていた糸が弛むかのように、紫耀くんと廉ちゃんが東京に引っ張られて、関西には3人だけが残った。どれもこれもきっと喜ばしい事だったはずだけど、私にはどこまでも6人一緒だったはずのなにきんがバラバラになってしまったように見えて。
東京に出てきて、"親友"と称するくらい信頼し合える神宮寺くんと出会って、同い年でなんでも話せる玄樹くんと出会って、いつでも笑顔をくれる優しい岸くんと出会った紫耀くん。
海人くんにとっては、きっと紫耀くんと廉ちゃんが同じグループになって安心したよね。嬉しかったよね。
でも私の目には、6人の姿はあまり綺麗に映ってくれなかった。他の4人のメンバーのこと、ネガティブな感情を持って見たことは一度もなかったけれど、「紫耀くんと廉ちゃんがデビューするべきなのは、このメンバーとじゃない」、そんな風に思ってしまってた。ごめんね。
紫耀くんが地上波の深夜番組に出演したり、キンプリが朝の報道番組で「サマーステーション」を披露したり、段々と多くの人の目に触れる機会が増えていって、その一つ一つが私にとって大切な思い出になった。
一方で、2人の帰るべき場所からどんどん遠ざかって、もう後戻り出来なくなってしまうんじゃないか、そんな不安もあった。このままキンプリが人気になって、紫耀くんと廉ちゃんが関西に帰れなくなったらどうしよう、そんな想い。
2つの大きな気持ちが絶えずぶつかり合って、心を「がんばれ」の気持ちで100%満たすことがいつしか出来なくなった。
「東京で関西Jr.広めてこい!」
その言葉を背負って出てきたはずだったのに、時が経つにつれて段々と紫耀くんの関西弁は抜けて、レギュラーメンバーだったはずのまいジャニにはゲスト出演するようになって、そして2人は東京jr.になった。
康二くん、大ちゃん、流星が3人で必死に頑張っている姿を見るのも、東京のステージでキラキラ輝く2人を見るのも、いつしか切なくて、苦しくなってた。
海人くんと3人で作り上げたEXシアターでの公演でも、ペンライトを青色にするのがやっぱり少し辛かった。目の前で一生懸命に歌って踊る紫耀くんに釘付けになって、「がんばれ、がんばれ」って思いながらも、やっぱり心の端っこでモヤモヤしたものが燻っていて。
「次涙を流すのは、この6人でデビューする時」
康二くんと柊真くんと紫耀くん、流星と大ちゃんに囲まれて泣きながらそう答えた廉ちゃんのことも、
「上京が決まった時、僕、本当は名古屋に残りたかった」
雑誌のインタビューでそう語ってくれた紫耀くんのことも、どうしても忘れられなかったから。
"期間限定ユニット"、その言葉をいつまでも信じていたかった。
そんな私の気持ちとは裏腹、どんどん有名になっていく2人と、取り残されていく自分。ジャニーズワールドの最年少座長、ジャニーズJr.にして単独CM起用。映画初主演。紫耀くんはずっとずっと、目の前のお仕事を掴んで、がむしゃらに頑張っていたのに、私はそんな紫耀くんを心から応援することができなくなっていった。
紫耀くんから離れたのはその頃で。
「私には紫耀くんを応援する資格はない」
そう思ってしまったらもう、身動きが取れなくなってしまったから。
それから時が経って、でも、どんなに頑張っても私の心から紫耀くんが消えることはなかった。つい目で追ってしまうMr.KING、そしてPrince。
その2グループが再集結してKing&Princeとしてデビューを発表したその日でさえ、私は目を逸らしてしまったこと、デビューおめでとうって心から祝福できなかったこと、紫耀くんの「この6人でデビューしたいと僕がジャニーさんに頼みました」、その言葉がどうしようもなく哀しかったこと。
あの日、もし心から「おめでとう」と思えていたら。デビューという大切な瞬間に立ち会って、一緒に喜び合えていたら。
全部全部、後悔しきれないくらい後悔してる。考えて眠れない日もあるくらい。馬鹿だった。間違ってた。ごめんね、ごめんなさい。その気持ちは今でもずっと心にこびり付いたまま。
あの頃、私の目にはきっと濁ったフィルターがかかっていた。私がこうあってほしいと願う紫耀くんの在り方に固執して、一生懸命に頑張る6人を、お互いに切磋琢磨する6人を、キラキラと輝いていた6人をちゃんと見ようとしなかった。
ごめんね。本当にごめんなさい。
今、私の目に映る6人は、言葉では表せないくらい綺麗で、大切で、かけがえのないもの。この6人でよかった、この6人じゃなきゃ。そう思える今を大事にしたいと思ってる。
今King&Princeの6人に対して抱いている感情は、大きくて、暖かくて、優しくて。そんな感情で心が満ち溢れる幸せを、噛み締めています。
これから先ずっと、King&Princeの一瞬一瞬を目に焼き付けて、応援し続けることで少しでも償えたら。そんなことじゃ償いにもならないのかもしれないけれど。
いつも笑顔をくれてありがとう。
勇気をくれてありがとう。
優しさを教えてくれてありがとう。
6人が出会った奇跡と、6人を引き合わせて下さったジャニーさんへの感謝を込めて。
ごめんね。ありがとう。おめでとう。
大好きです。
2020.6.5